What's up? Cardiology

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ESC2020: the Daily Wrap-Up Saturday&Sunday

ESC2020のDaily Wrap-Upです。 土曜日 日曜日 ACC.ORGによるWrap-Upです

ESC2020「2020 ESC Guidelines on Non-ST-Segment Elevation Acute Coronary Syndromes」

2020 ESC Guidelines on Non-ST-Segment Elevation Acute Coronary Syndromesです。 正式なタイトルは「2020 ESC Guidelines for the management of acute coronary syndromes in patients presenting without persistent ST-segment elevation: The Task Fo…

ECS2020「2020 ESC Guidelines on Atrial Fibrillation 」

新しいガイドラインも発表されています。 「2020 ESC Guidelines on Atrial Fibrillation 」です。 4S-AF schemeとABC pathwayだそうです。

ESC2020「POPULAR-TAVI試験」

ESC2020より、Popular-TAVI試験。やはり、NEJM同時掲載です。 TAVI後の抗血栓療法は明確なエビデンスがないまま、DAPT(アスピリン+クロピドグレル)が推奨されてきました。この、POPULAR-TAVI試験では、AS患者さんに対してTAVIを施行前日までに、アスピリン…

ESC2020「ELDERCARE-AF 」

ESC2020より日本からの研究「ELDERCARE-AF 」です。NEJMに掲載されました。 経口抗凝固薬の適応になりにくい(a low creatinine clearance (15 to 30 ml per minute), a history of bleeding from a critical area or organ or gastrointestinal bleeding, lo…

ESC2020「EAST-AFNET 4 Trial」

ESC2020より次は「EAST-AFNET 4 Trial」です。論文はこちら。発症1年以内の心房細動患者に対して、通常のrate controleに対してearly ryhtym controlがイベント(心血管死、脳卒中、心不全やACSの悪化による入院)を減らしたというものです。リズムコントロー…

ESC2020「EMPEROR-Reduced trial」

ESC2020より続々と大規模試験の結果が報告されています。 まずは、「EMPEROR-Reduced trial」です。NEJMに掲載されました。 NEJMより引用 心不全(NYHA II-IV)に対するEmpagliflozin(ジャディアンス)の効果が糖尿病の有無にかかわらず示されました。 昨年のES…

BNPが高くない心不全 Heart Failure with Preserved BNP?

BNPが正常値であるにもかかわらず、右心カテーテル検査で肺動脈楔入圧が高値であった、肥満の心不全患者さんがおられました。 心不全学会はステートメント「血中BNPやNT-proBNP値を用いた心不全診療の留意点について」で、BNP, NT-Pro BNPのカットオフ値を記…

自己免疫性胃炎(AIG)とPPI関連胃症(GAP)

先日,川崎医科大学特任教授の春間賢先生のご講演を拝聴する機会がありました.その際に教えていただいたのが「胃炎の京都分類」です. 春間先生ご自身が監修されたものです.。そのなかで、特に自己免疫性胃炎(A型胃炎)について,詳しく解説していただきま…

岐阜県のドクヘリが運航4千回超え

岐阜県のドクヘリが運航4千回超えました。 www.gifu-np.co.jp

SIADHにサムスカ

私たちの教室では循環器内科だけでなく呼吸器内科と腎臓内科の診療も行っています。先日、SIADHを発生した肺がん患者さんが入院されました。その際に、本年6月にサムスカがSIADHに適応となっていたことを初めて知りました。 最も理にかなった使い道ですね。 …

脂肪酸(EPA, DHA)はTCFAの安定化に有効か?OCTによる検討

奈良医大と関連病院で喜多揚子先生を中心に行っていた研究の論文「Effects of Fatty Acid Therapy in Addition to Strong Statin on Coronary Plaques in Acute Coronary Syndrome: An Optical Coherence Tomography Study」がJAHAに掲載されました。 Contro…

前かがみになると息苦しい (Bendopnea)のは心不全だけではなかった

前かがみで息苦しいと訴える患者さんが紹介されてきました.昔なら,年のせいとか太ってるせいですよと片付けられていたかもしれません.この症状が心不全の約30%に認められるという,Bendopneaです。紹介元の先生はこのことをご存じだったのです。 前屈する…

ESC参加費無料!

今年のESC(2020/8/29-9/1オンラインの開催)は参加費無料だそうです。

心エコー図学会参加登録9月30日まで可能

心エコー図学会学術集会は終わりましたが,オンデマンド配信が2020年9月1日(火)~9月30日(水)12:00の間視聴可能です. 都合がつかなくて開催期間(8月14日(金)~15日(土))に参加できなかった方も参加登録が9月30日(水)まで可能ですので,今から…

Tokyo Physiology Friends Live

Tokyo Physiology Friends Liveが始まりました. 8/23(日)11:00-11:40のセッションに登場します. ライブコース1微小循環指標計測の基礎を学ぶ ==================== プレゼンター: 田中信大(東京医科大学八王子医療センター)座長…

忘れられたリウマチ性MS (Forgotten Rheumatic Mitral Stenosis)

刑事コロンボというドラマが好きでした。そのなかに「忘れられたスターFORGOTTEN LADY」というお気に入りのエピソードがあります。 昔,一世を風靡していたのに、今やすっかり忘れられてしまった元スター女優の悲しい物語です。 本日は、かつてのスター弁膜…

TGAって何の略?

大血管転位症(Transposition of the Great Arteries)ではなく、一過性全健忘. (Transient global amnesia : TGA)のお話です。 心臓カテーテル検査後に、突然自分が今どこにいて何をしているのかわからなくなった患者さんがいました。もちろん主治医は大慌て…

隠れタコツボ

CCUやICUには様々な重症患者さんが入院されます。原因がよくわからないうっ血、溢水状態になってる患者さんに心エコー図を行うと、ちょっと心機能が落ちているかな?でもCKが上昇していないから、まあいいか。と見過ごしてしまうことがあります。 実はそのな…

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

野村克也の言葉として知られていますが、もとは江戸時代の大名で肥前国平戸藩の第9代藩主松浦静(静山)の「常静子剣談(じょうせいしけんだん)」に記載されている言葉です。 私たちが治療を行ってそれがうまくいったとき、治療法が良かったのかもしれません…

大動脈瘤の血圧コントロール:理想と現実

大動脈瘤の術後患者さんをたまたま別の理由で診療する際に、「ええ!血圧150台?β遮断薬未使用!?」と驚くことがあります。 今日は、大動脈瘤の血圧コントロールの理想と現実についてです。 2020 年改訂版大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドラインでは、胸部大…

「Wellens症候群」のHein Wellens先生、逝去

Hein Wellens先生が2020年6月9日に84歳でお亡くなりになられたとのことです。 EPの世界では有名な先生だそうですが、私にとっては「Wellens症候群」の先生です。 Wellens症候群とは、 1982年に Wellens らによって報告(Am Heart J. 1982 Apr;103(4 Pt 2):730…

縁は一生、心エコーも一生 - Life time connections, life for echocardiography-

心エコー図学会2日目は田邊一明先生による、会長講演「縁は一生、心エコーも一生」を拝聴しました。本学会開催に至るまでのご苦労を思うと、こちらまで胸が熱くなりました。 メイヨークリニック留学中の論文が採択された次の日から周囲の見る目が変わったと…

心エコー図専門医制度への期待

心エコー図学会のシンポジウム4「 心エコー図専門医制度への期待」というセッションで、「心エコー図専門医制度の始まりと終わり」というタイトルでしゃべりました。恩師の思いを後進に伝える。それが私の使命だと思っています。

PBCって何の略?

プロブレムリストに「PBC」と書いてある患者さんがいました。主治医に何の略か尋ねると、「えーっと、なんとか性肝硬変だったかな?」という返事が。 今日は循環器以外の話題です。 PBCといえば、永らく原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis: PBC)…

心エコー図学会第31回学術集会始まります

8月14日-15日の間、日本心エコー図学会第31回学術集会がオンラインで開催されます。オンデマンド配信は9月1日から30日まで視聴できますので皆さんふるってご参加ください。日程表はこちらです。 なんと、佐野史郎さんと田邊一明教授の対談まで!

症候性か有症候性か?

症状がある場合を「症候性 symptomatic」、ない場合を「無症候性 asymptomatic」といいます。最近、「有症候性」という変な用語を見聞きするようになりました。 不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)では、ブルガダ症候群、早期再分極パターン、早期…

躍動する頸動脈

頸動脈拍動でいろいろなことがわかります。体表面から拍動が勢いよく見えたら、大動脈弁閉鎖不全症か高心拍出性心不全(甲状腺機能亢進症など)を疑います。立ち上がりが早い(速脈)、振れ幅が大きい(大脈)頸動脈波です。このように躍動するような脈をCor…

What's up?

循環器内科での日々の話題についてまとめます。