What's up? Cardiology

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

「Wellens症候群」のHein Wellens先生、逝去

Hein Wellens先生が2020年6月9日に84歳でお亡くなりになられたとのことです。

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EPの世界では有名な先生だそうですが、私にとっては「Wellens症候群」の先生です。

Wellens症候群とは、

1982年に Wellens らによって報告(Am Heart J. 1982 Apr;103(4 Pt 2):730-6.)され、胸痛を一度自覚した症状が消失した後に前胸部誘導で T 波に心電図変化を示す不安定狭心症のことを指します。不安定狭心症の14-18% に認められ、薬物治療だけで診ているとたとえ症状が改善していても、75%の症例は数週間以内に急性心筋梗塞(前壁中隔)に進行するというのです。

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(N Engl J Med 2015; 372:66より)

「そんなん当たり前ちゃうの?Wellens症候群っていう名前は知らんけど。」という循環器内科医は多いのではないでしょうか?

私がとある大学病院の心カテ室で循環器内科医約10名に「Wellens症候群知ってる?」と聞いてみたところ、手を上げたのは一番若手のS先生ただ一人だけでした。 

研修医や非循環器内科医むけの貴重なアドバイスが「心電図ハンター」という本に述べてあります。

それは、

循環器内科医にコンサルトするときに、決して「Wellens症候群疑いです。」と言ってはならないということです。

なるほど。