脂肪酸(EPA, DHA)はTCFAの安定化に有効か？OCTによる検討

奈良医大と関連病院で喜多揚子先生を中心に行っていた研究の論文「Effects of Fatty Acid Therapy in Addition to Strong Statin on Coronary Plaques in Acute Coronary Syndrome: An Optical Coherence Tomography Study」がJAHAに掲載されました。

Control、EPA投与群、EPA＋DHA投与群を比較したランダム化試験です。いずれの群も8か月後に線維性被膜の厚み(FCT)は増大するものの、群間に差はありませんでした。ただ、baselineでTCFAであった例（FCTが薄かった例）だけで比較すると、controlと比較して、EPA投与群、EPA+DHA投与群では最小FCTの変化率が有意に大でした（線維性被膜がより厚くなりました＝プラークが安定化？しました）という結果です。

Conclusionは以下の通りです。

EPA or EPA+DHA therapy in addition to strong statin therapy did not significantly increase FCT in nonculprit plaques compared with strong statin therapy alone, but significantly increased FCT in patients with thinner FCT.

喜多揚子先生、そして根気強く指導にあたってくれた渡邉真言先生おめでとうございます！