What's up? Cardiology

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

Wellens症候群 再び

数日前に1回だけ胸部圧迫感があったという患者さんが来られました。過去2日間は全く症状はないとのことです。

心電図はこんな感じでした。(注:この心電図はよく似た別の患者さんのものです。)

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以前の心電図にはなかった、陰性T波が前胸部誘導に認められます。

そうです。Wellens症候群です。LAD 近位部の高度狭窄です、数週間以内に75%が急性心筋梗塞に進行するという、循環器内科医が知らないあの恐ろしい病気です。

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カテーテル検査では予想通りLAD #6に高度狭窄があり、ステント留置で無事終了。(注:この冠動脈造影はよく似た別の患者さんのものです。)

もちろん循環器内科医の私は、外来初診時のカルテには「Wellens症候群疑い」などとは書かずに、「不安定狭心症」とだけ記載していました。