What's up? Cardiology

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

膨隆する頸静脈

以前、「躍動する頸動脈」について書きましたが、今回は「膨隆する頸静脈」です。

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頸静脈が座位でも収縮期(収縮後期)膨隆して見える患者さんがおられました。触れてみれば頸動脈の拍動ではないとはわかりますし、下の動画のように、下から上へ向かって隆起していく様子が見てとれれば、容易に頸静脈だと判断できます。三尖弁逆流による頸静脈の収縮期陽性波(S波)あるいは頸静脈波の心室化(vetricularization)です。

 

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三尖逆流による頸静脈収縮期陽性波

上図のように、右室が収縮して三尖弁逆流が右房から上大静脈そして内頸静脈に伝播された結果認められるものです。だから、収縮後期に「ぶわーっ!」と膨隆するのです。a波, c波, v波とかX谷、Y谷という話をすると難しくなるので、室生先生の著書「循環器診察力腕試し」にある通り

”座位で内頸静脈が見えたらCVP20cmH2O以上”

”頸静脈の収縮期陽性波は三尖弁逆流”

とだけ覚えておきましょう。

頸静脈波形について詳しく知りたい方はこちらの動画をどうぞ。